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LAST UPDATED 2003.09.18
映画『TAIZO』は製作・奥山和由自身が監督した映画『クラッシュ』に引き続き、チームオクヤマがお届けするドキュメンタリー映画だ。
世界の一角で起こった避けられない戦争に憤りを感じる人は多い。だがそんな場所に、わざわざ危険を冒してまで突き進む人間がいる。一ノ瀬泰造もその一人だ。今年は泰造の没後30周年。相次いで写真展や舞台上演が開催されているが、どれも泰造を慕う若者たちで賑わい、彼の真っ直ぐな生き様がプチ・ブームを起している。
奥山和由監督作品『クラッシュ』
レーサー太田哲也を追った
初監督を務めた
中島多圭子
映画のラストは現存している泰造の歌声が飾る。その声は、「俺は死なない、絶対に・・・」と信じて疑わない、夢に向かって希望に満ち溢れている姿を想像させられる。それは観客にとって、心強いメッセージとして刻まれることであろう。
監督は、今回初めて映画の世界に携わり、初監督を果たした中島多圭子。彼女が泰造の存在を知ったのは、あるテレビ番組を担当一年で降板させられたという挫折を味わった頃。「自分の追い求めるものにひたすら突き進んでいった生き様が眩しかった」という。中島はVX2000のカメラを片手に、カンボジアやベトナム、佐賀の武雄市を3年もの間ただ一人で飛び回り、一ノ瀬泰造を追いかけた。その膨大な映像を約1時間30分にまとめ上げる。当初は名誉や金のためにアンコールワットを追い求めた泰造だが、戦火を駆け巡る内に微妙な心の変化を遂げた。どうしても、どうしても撮りたいと願いアンコールワットに向かった泰造の心の内面を中島が遺憾なく掘り下げている。
そして音楽を手がけるのは、日本におけるシンセサイザーの権威の持ち主・深町純。今回、ピアノソロにより、泰造の朴訥さから破天荒ぶりな生き様を適確にとらえている。即興によるその音楽はまさに天才的で、センス、テクニック申し分ない彼の完璧なまでにも心に染み入る旋律は、観客の心を揺さぶるにちがいない。
人の命は永遠ではない。だが想いは永遠に生き続けることができる。泰造の願った想いは、現実とはなり得なかったが、想いは後世に引き継がれていく。それは、監督 中島でもあり、観客一人一人でもある・・・。